コロナ禍の影響により民間企業ではリモートワークを始めとしたデジタルシフトが加速しました。一方で、住民ウェルネスを支える自治体職員の窓口業務では、職員高齢化に伴う慢性的な人手不足やベテラン職員のノウハウ継承などの課題が山積しています。特に中小規模自治体において、人的リソースの課題は深刻で、住民サービスに地域間格差を生じさせないための手立て・取り組みが喫緊の課題となっています。
このままでは自治体の運営すら危ぶまれる国難の中、国が進めるデジタル田園都市構想による地方創生とともに、自治体DXという新たな自治体の姿に向けた変革・パラダイムシフトが始まっています。
私たちガバメイツは、200を超える自治体で業務量調査等を行い、仕事の流れ・業務量・紙orデジタルなどの状況をつぶさにデータとして集積。業務フローを体系的に可視化し、課題を明確にすることで、業務改善とシステム標準化の支援を進めてきたところです。
国内ナンバーワンを誇る膨大なデータを元に、可視化からBPRまでを総合的にご支援できるプラットフォームを有していることが私たちの強みであり、中でもサービスの中心となる、ガバメイツオリジナルのクラウドサービス「Govmates Pit」は、自治体業務を総合的に可視化し、クラウド上で業務改善検討などができる、唯一無二の自治体業務可視化ツールであります。
少しでも自治体職員の皆様が効率的な働き方ができますよう、そして誰もが豊かに暮らせる社会の実現にお役に立てることを願い、ガバメイツはこれからも全力で地方自治体の皆様を支援してまいります。
『なぜ、自治体DXに福留さんは執心してるんですか?』とよく聞かれます。『ふるさとチョイスを運営するトラストバンクという子会社が1600超の自治体の顧客基盤を持っているので、チェンジのDXノウハウと掛け合わせて事業創造をしてるんです』というのが経営者としての僕の答えです。
ただ、僕は経営者である前に1人の人間であり、日本という国で生まれ育った日本人です。冒頭の問いに一個人として、そして1人の日本人として答えることで、この会社への想いを表現してみたいと思います。
一個人としての動機を説明するには、生い立ちから説明しなければなりません。笑
僕は鹿児島県の日置市(市町村合併の前は伊集院町)という小さい町で生まれ育ちました。伊集院というのは、松下幸之助翁が1960年代に『これから地方が過疎化するから、工場を建てて若者の雇用を生み出そう』と松下電器の工場が立地していた町です。幸之助翁の狙いは見事に命中し、僕が生まれ育った70年代〜80年代は本当に豊かな町でした。今では松下の工場はなく、平均年収の極めて低い地域になっており、帰省するたびに町の衰退を感じてしまいます。
僕の父親はそんな町の町役場の職員でした。いわば、今の僕があるのは、教育から医療に至るまで、小さい頃から全ての生活の面倒を見てくれた地元の自治体があったからなのです。
ここまで読んで、察しの良い皆さんは気付いたと思います。つまり、動機の大半は『恩返し』なんです。ただ、単なる恩返しというレベルではない、意味のある仕事を成し遂げたいと思っています。
具体的には『自治体職員の皆様の仕事をよりやり甲斐のある、地域の持続可能性を決するような重要な仕事に変える』お手伝いがしたいのです。僕の父親は、人事異動のたびに一喜一憂する人でした。僕が小学生の時、異動日に『今度の職場はつまらん。事務処理だけが仕事だ』と言ってガッカリしていたのを今も覚えています。このことがずっと頭の中に残っていました。この時に感じた無力感を約30年後の今、今回の合弁会社のサービスを通じて解消したいのです。
僕の生まれ育った伊集院は現在の日本の縮図だと思っています。そして、こういう地方を持続可能にすることが都市部を持続可能にすることにつながります。地方の資源供給を受けて、都市部は成り立っている訳ですから。
そんな極めて個人的な原体験をモチベーションに変えて、都市部も地方も、大規模自治体も小規模自治体も、日本の隅々まで、全く格差のない行政サービスを提供するためのお手伝いをしていきたいと思います。自治体DXは業務の見直しから!
一緒にやり抜きましょう。