2025/12/12
岐阜県庁
BPRでムダをなくして実現!申請者も職員も楽にできる、オンライン申請の活かし方
岐阜県様では、令和3年度から「行政手続のオンライン化・業務最適化」に、全庁一体で取り組まれています。
今回は、その中でも、オンライン申請導入と業務の見直し(BPR)を組み合わせることで、申請者の申請負担を減らしながら職員の事務作業を大幅に効率化するなど、具体的な成果につなげられている、国際たくみアカデミー様にお話を伺いました。
お話を伺った方
国際たくみアカデミー 教務・開発援助課 渡辺課長
岐阜県庁での行政手続のオンライン化の取り組み および 国際たくみアカデミーでの取り組みについて教えてください。
岐阜県庁では、『岐阜県デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画』を策定し、DXについてさまざまな取り組みを行っております。 中でも、「行政手続のオンライン化」は、県庁における許認可等申請手続きについて原則オンライン化するという方針のもと、令和3年度から7年度までの5か年計画で取り組んでおります。
当校国際たくみアカデミーは、職業能力開発促進法に基づき、県が開設している職業能力開発施設ですが、他部署と同様、在学生・卒業生・受験希望の高校生など様々な方からの申請書を起点とする業務が多数存在します。中でも、「入学試験への願書受付」は、申請者側にも職員側にも負担が多く生じていたので、双方にとって便利になるような手続きオンライン化を実現にしたいと考えておりました。
そんな中、ガバメイツ様が県庁においてオンライン化や業務の見直しを継続してご支援されていることを伺いましたため、令和4年度にご支援をお願いしました。
【参考】岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進計画(令和4年3月策定)の概要図
当校国際たくみアカデミーは、職業能力開発促進法に基づき、県が開設している職業能力開発施設ですが、他部署と同様、在学生・卒業生・受験希望の高校生など様々な方からの申請書を起点とする業務が多数存在します。中でも、「入学試験への願書受付」は、申請者側にも職員側にも負担が多く生じていたので、双方にとって便利になるような手続きオンライン化を実現にしたいと考えておりました。
そんな中、ガバメイツ様が県庁においてオンライン化や業務の見直しを継続してご支援されていることを伺いましたため、令和4年度にご支援をお願いしました。
【参考】岐阜県デジタル・トランスフォーメーション推進計画(令和4年3月策定)の概要図
従来(オンライン申請導入前・紙申請のみ)の課題感を教えてください。
<なくそうにもなくせない、大量の申請書類>
一番の課題は、申請者にたくさんの書類を準備する負担がかかっていた、ということです。顔写真・証紙・返送用封筒など、付属する添付書類が数多くあり、これらをそろえるだけでも大変なお手間をかけていました。当校も、そのことは認識していましたが、どう見直していけばいいのかが分からず、これまで通りにしておりました。
<紛失リスクと隣合わせ、机上にできた願書の山>
申請書類を受け取った後も、書類の管理が負担になっていました。申請のピーク時には、職員の机を埋めるほどの願書の山ができていました。また、紙申請の特性上、もらった書類が唯一の原本であるにも関わらず、常に紛失のリスクがありました。さらに、申請内容を管理システムに入力するのですが、その手作業も負担になっていました。
一番の課題は、申請者にたくさんの書類を準備する負担がかかっていた、ということです。顔写真・証紙・返送用封筒など、付属する添付書類が数多くあり、これらをそろえるだけでも大変なお手間をかけていました。当校も、そのことは認識していましたが、どう見直していけばいいのかが分からず、これまで通りにしておりました。
<紛失リスクと隣合わせ、机上にできた願書の山>
申請書類を受け取った後も、書類の管理が負担になっていました。申請のピーク時には、職員の机を埋めるほどの願書の山ができていました。また、紙申請の特性上、もらった書類が唯一の原本であるにも関わらず、常に紛失のリスクがありました。さらに、申請内容を管理システムに入力するのですが、その手作業も負担になっていました。
オンライン申請を有効活用するために、実施した取り組みを教えてください。
<現状の見える化を起点に、オンライン申請に合わせた業務の進め方にBPR>
まずは、業務の現状の見える化を徹底しました。ガバメイツ様と一緒に、申請書の記載項目1つ1つや申請に添付している資料1つ1つ を細かく洗い出しました。
次に、「今ある業務をそのままオンライン化するのではなく、不要なものは少しでもなくしていこう」という方針のもと、記載項目や添付資料について、要不要を改めて一から精査し直しました。すると、申請書の中にも実は使っていない項目が見つかったり、オンライン化すると不要にできる書類などが発見できたりしました。中でも、「受験票」を廃止できたのは大きな成果で、これにより、申請者の準備負担も、職員の管理負担も大きく減りました。業務を抜本的に見直すBPRの取り組みならではの成果であり、おかげですっきりした申請フォーム・スムーズな業務設計が出来あがりました。
<オンライン申請が進むと、職員もどんどん楽に。広げていく機運が高まった>
翌年の令和5年度はスモールスタートの年と位置づけ、限られた方にオンライン申請をご案内し試験的に運用しました。実際に運用を開始してみると、「オンライン申請の方が受け取る書類も少なく済んで、本当に楽だ」という実感が職員の中で広がっていきました。
これはぜひともオンライン申請を使っていただきたいと思い、令和6年度には本格運用を開始しました。具体的には、オンライン申請の周知活動を手厚く行い、オンライン申請の利用率を高めていきました。 「オンライン申請が利用されれば、自分の業務も楽になる」という実感を最初に作れたことで、もっと広げていこうという機運になったと思います。
まずは、業務の現状の見える化を徹底しました。ガバメイツ様と一緒に、申請書の記載項目1つ1つや申請に添付している資料1つ1つ を細かく洗い出しました。
次に、「今ある業務をそのままオンライン化するのではなく、不要なものは少しでもなくしていこう」という方針のもと、記載項目や添付資料について、要不要を改めて一から精査し直しました。すると、申請書の中にも実は使っていない項目が見つかったり、オンライン化すると不要にできる書類などが発見できたりしました。中でも、「受験票」を廃止できたのは大きな成果で、これにより、申請者の準備負担も、職員の管理負担も大きく減りました。業務を抜本的に見直すBPRの取り組みならではの成果であり、おかげですっきりした申請フォーム・スムーズな業務設計が出来あがりました。
<オンライン申請が進むと、職員もどんどん楽に。広げていく機運が高まった>
翌年の令和5年度はスモールスタートの年と位置づけ、限られた方にオンライン申請をご案内し試験的に運用しました。実際に運用を開始してみると、「オンライン申請の方が受け取る書類も少なく済んで、本当に楽だ」という実感が職員の中で広がっていきました。
これはぜひともオンライン申請を使っていただきたいと思い、令和6年度には本格運用を開始しました。具体的には、オンライン申請の周知活動を手厚く行い、オンライン申請の利用率を高めていきました。 「オンライン申請が利用されれば、自分の業務も楽になる」という実感を最初に作れたことで、もっと広げていこうという機運になったと思います。
どのような成果につながったでしょうか、教えてください。
令和7年度から紙申請を廃止し、100%電子化を達成できました。一部の原本指定書類の郵送を除き、支払いもオンライン決済で完結し、添付資料もフォーム添付にすることで申請者はスムーズに出願できるようになっております。
職員側も、添付書類の保存管理負担が大きく減ったほか、申請が電子になったことで、従来の転記入力作業・確認作業・修正作業がなくなり残業時間が0になりました。
職員側も、添付書類の保存管理負担が大きく減ったほか、申請が電子になったことで、従来の転記入力作業・確認作業・修正作業がなくなり残業時間が0になりました。
今現在取り組んでいることを教えてください。
<成功体験をもとに広がっていく、もっとたくさんの手続きをもっと便利に>
当校内では、卒業証明書などの各種証明書の交付、駐輪・駐車場利用の申し込みなども、続々オンライン化しています。成功体験があったことで、各担当者が積極的に推進してくれています。
また、県庁内でも、当校の事例を横展開しようと、デジタル戦略推進課が中心となって積極的に情報発信や事例紹介をしてくださっています。参考になる・真似できる事例として活用してくださっているようで、大変うれしく思います。
<オンライン申請は、申請者に使っていただけることが大切>
改めて実感しているのが、オンライン申請では「申請者に使っていただける、分かりやすいフォームにすること」が非常に重要ということです。課内でも毎年フォームの見直し等をしていますが、良いアイディアが浮かばないときは、今でもガバメイツ様に相談しています。
つい先日も、「この設問は、申請者目線だと分かりにくいので、画像で例を示したらどうですか?」 「この設問は不要なので、削除したら、申請者も入力負担なくなりますし、職員も確認負担が減りますよ」と具体的にアドバイスをいただけました。
自治体業務の実情も、申請者視点でのフォームづくりのポイントも、両方理解しているガバメイツ様だからこそ、いろんな相談をさせていただけています。
当校内では、卒業証明書などの各種証明書の交付、駐輪・駐車場利用の申し込みなども、続々オンライン化しています。成功体験があったことで、各担当者が積極的に推進してくれています。
また、県庁内でも、当校の事例を横展開しようと、デジタル戦略推進課が中心となって積極的に情報発信や事例紹介をしてくださっています。参考になる・真似できる事例として活用してくださっているようで、大変うれしく思います。
<オンライン申請は、申請者に使っていただけることが大切>
改めて実感しているのが、オンライン申請では「申請者に使っていただける、分かりやすいフォームにすること」が非常に重要ということです。課内でも毎年フォームの見直し等をしていますが、良いアイディアが浮かばないときは、今でもガバメイツ様に相談しています。
つい先日も、「この設問は、申請者目線だと分かりにくいので、画像で例を示したらどうですか?」 「この設問は不要なので、削除したら、申請者も入力負担なくなりますし、職員も確認負担が減りますよ」と具体的にアドバイスをいただけました。
自治体業務の実情も、申請者視点でのフォームづくりのポイントも、両方理解しているガバメイツ様だからこそ、いろんな相談をさせていただけています。
他自治体へのメッセージをお願いいたします。
取り組みの最初に、ガバメイツのご担当者から「徐々にオンライン化していけば、いいですよ。最初は一部紙でもいいじゃないですか。」と言われ、すごく気が楽になった思い出があります。
DXもBPRも、始めからすべて完璧に行うのは難しいと思います。徐々に前へ進めること、たとえ小規模でも成功体験を得ること、成功体験をもとにみんなで広げていくことが、大切だと思います。
DXもBPRも、始めからすべて完璧に行うのは難しいと思います。徐々に前へ進めること、たとえ小規模でも成功体験を得ること、成功体験をもとにみんなで広げていくことが、大切だと思います。
貴重なお話ありがとうございました!