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2022/07/19
秋⽥県⼤仙市
業務量調査 可視化

見える化で仕事の効率アップを① 無駄が分かる手順書作成

全庁調査の成果を話すDX推進課の小松課長(左)と三浦主幹(中央)、今副主幹

DX推進でいいタイミング=秋田県大仙市役所
秋田県大仙市は,全国有数のコメの産出量を誇り、ブランド米「あきたこまち」の産地として知られる。日本三大花火の一つ「大曲の花火」でも有名だ。65歳以上が占める割合は4割と全国平均より高い地方都市。人口減少や財政収縮を見据え、多様化する市民のニーズに応えるため、さまざまな取り組みを進めている。DX推進もその一つ。2021年3月には「DX推進ビジョン」をまとめ、老松博行市長をトップにした推進本部も設置。市役所全体の方向付けができた。

ちょうど同じ時期、地元企業からコニカミノルタを紹介された。DX推進課の小松大課長は「いいタイミングで話があった」と説明する。もともと、情報通信技術(ICT)への意識はあったが、機材を入れさえすればいいという認識も多かった。しかし、コニカミノルタから、業務の無駄を「見える化」をすることが重要だと指摘され、同課の担当者は「目からうろこが落ちた」と声をそろえる。
■調査結果受け各課をヒアリング
市はコニカミノルタ(現ガバメイツ)と▽業務プロセスの可視化による課題の抽出・分析▽分析結果を踏まえた業務効率化の検討と提案――といった内容の連携協定を締結。本庁と各支所の77課所カ所で全庁業務量調査に入った。業務の手順を抽出し▽職員の配置▽業務時間▽紙の量▽処理件数▽関連法令――などを明らかにした。これらをコニカミノルタの独自のロジックでデータ化し、結果はグループウエアの全庁市役所の掲示板で共有した。

全庁の業務の数は8588あり、手順は合わせて6万2554と多い。これらすべてを「いわば棚卸しをした」(小松課長)ことになる。データは膨大だったため、庁内全体が必ずしも前向きだったわけではないが、市長の積極的な姿勢もあって、スピード感を持って作業が進んだようだ。

調査では、公務員がすべき「コア」と、公務員でなくてもできる「ノンコア」のそれぞれの業務が、各課の班ごとにどの程度の割合なのか分かった。結果を受け、DX推進課が各課をヒアリング。担当した今暁副主幹は「本当は自分たちも変えられるなら変えたいという声が聞けた」。同じく三浦透主幹は「DXを進める立場としてもエビデンス(証拠)があるので説得力がある」と説明。外部委託できたり、職員がやるべき仕事に集中したりする方向が「見える化できた」(三浦主幹)と効果を実感した様子だ。
■無駄が分かる手順書作成
全庁この調査を基に、現在の業務を明らかにした「手順書」も作った。エクセルファイルを使い、全庁の作業が同じ形式で記入されているので、異動先でも迷いなく使えるのがみそ。これを見れば、無駄があるかどうか分かるようになるという。

ガバメイツと相談しながら、BPRに関する職員研修にも取り組む予定。内容や方法についてはまだ決まっていないが、年内にも実行に移す計画で、職員から「コア」なメンバーをピックアップして進める方向だ。

DXによって業務効率化が進めば、その結果生じた時間を、本来の市民サービスに向けられるようになる。大仙市の「見える化」による改革はスタートしたばかりだが、庁内の理解も進んでおり、行政効率アップのステップを確実に上っているようだ。


出典:時事通信社 「iJAMP」企画タイアップ
(※ガバメイツの前身であるコニカミノルタ社時の内容を含んでおります。)